事件は、放課後に起きた。



「ぼ・・・・・・僕の傘が・・・・・・・ない・・・・・・!?」



そう驚愕の声をもらしたのは、もっちーである。

ふわふわのファーが施されていると思いきや、意外とシックなコートを身に纏い、もこもこのマフラーをまいた、もっちーである。

あったかそうである。


「わ、わ、ない・・・・・・」


もっちーは絶望する。

今日は5限の体育で行われた創作ダンスの発表会で女子から黄色い歓声を浴びるほど充実したダンスを披露して良い気分になっていたのに。

ついにモテ期到来しちゃうかもとか半ば夢すら見ていたのに。

まさか最後の最後でこの仕打ち。

傘が、盗まれたようだった。


「もしかしてもともと持ってきてなかったとか・・・・・・」


いや、朝も朝で今と同じ状況だったのだから、傘を持ってきていないはずがない。

もしそうだとしたら、今頃自分はこんなにもちもちしていない。

べちょべちょのはずだ(も´・ω・`ち)。

もちは思案する。

外を見る。

雪が降っている。

しかも斜めに。

かなり多い。


・・・・・・(゜д゜;)ハワワ