もちモノガタリ



どの教科担任も、

基本的に日にちと同じ名簿番号の人に当てる風習がある。

それは挙手者がいてもいなくても同じであるため、

たとえば今日は22日なので22番の人が、一日中、どの教科でも発言要求をされてしまうのだ。

特に数学は、

最初に当たった人から前に進み、左へ流れるという規則的な動きをするため、

その日の日付だけで、

今日自分が授業中に当たるかどうかが大体予測できるのだ。


ということで、

女子二名のいる列の最後尾が

本日の日付と同じ名簿番号を持つ

22番であり、

殷 unlimited[あんりみてっど]。

通称、「あんちゃん」。

なのである。

少女たちは絶望する。


「最近あの先生の言っている意味がわからない」


「国語力がないよねw」


「これはもう授業が爆発することを祈るしかないなww」


「www」


まぁ、

案の定、

そんな女子二名の会話に耳を済ませていたもちが一名。