「えーと、読書月間、じゃないや、読書月間、じゃなくて、が、始まります」


「なぜ言い直したし」


「あと結局そのままでいいのな」


教卓の前に立って

原稿をガン見しながら

図書委員の役目を果たしている

きーさんに対して、

真っ先に反応するふーみん。

と、青い人。

もう、ほぼこの二人で

沈黙を逃れているようなもので、

なぜならそれは

今が朝だからというのもあるのだけれど、

そもそも読書月間なんてもともとテンションのあがる催しではない。


「なので、えー、この紙」


原稿を持っているのと反対の手で

スゴロクのような絵が書いてある

紙束をぴらぴらさせるきーさん。


「を、配るので、えー、・・・・・・。この紙」


今度は原稿をぴらぴらさせるきーさん。


「を、黒板に貼っておくので、あとで見ておいてください終わります」


早々に台詞を切って席に戻って行く

きーさんを見て

佐野さんは苦笑い。


「自分で説明せんかい」と

目が語っている。