その瞬間、

ひゅ と音を立てて風が止んだ。

まるでさっきまでのが嘘のように。

けれど足跡は街のあちこちに残しつつ。


しかし、もしも

あの風に臆すことなく

街を歩いていたとしたら

二目に収めることができたというのに。


尻餅をついたもちを。


こうしてもちは、

誰にも不審に思われることもなく

ニュースに取り上げられることもなく

難なく人間界に降り立つことができた。


「いったた・・・・・・。
おかしいな、僕の予想が外れるなんて」