もちモノガタリ



そして、極めつけが

彼の部屋である。

もちもちランドの王子でもある

もち男にとっては、

王宮の何百分の一かも知れぬその狭さに

一種の閉鎖感に襲われたのだが、

けれど彼の部屋はもちにとって輝いて見えた。


普通の学生の部屋、なのだと。


「坂井さん坂井さん、僕みたいな地位の高い人間が部屋を訪れたんだからさ、何か出すものないの?」


きーさんは相変わらず図々しいが、

どうにも憎めない可愛らしい声色。

そんなきーさんに

「ははーッ」とか言いながら

両手をばっさばっさ広げて

頭を下げる身振りのふーみん。


「さ、風呂敷くん。敬え」


いつの間にか椅子に座って

偉そうに足組みをしてのけ反っている

青い人。

なんか、「はっはっはっ」とか言ってる。


そんな中、