「テストです」


その言葉だけが教室に響く。


「もう一度言います、テストです」


佐野さんは何事も2回言うのが好きだ。

それは自己紹介の時も同じで。


「もういt」


まさかの3度目を聞く前に、

青い人が騒ぎ始めた。


「おい嘘だろーおいマジかよもっちー」


「き、きっとこれは何かの間違いだよ、な、もっちー」


演技がかったふーみんの台詞に、

もっちーは少し困惑気味である。


「テストって何(・ω・`)」


「・・・たしか、食べ物だったよな、な、青」


「んー? いや、乗り物、だろ?」


青い人とふーみんは

何か訳の分からない口論を始め、

教卓の前の佐野さんは苦笑い。

きーさんはきーさんで遠くの席から

自分も混ざりたそうな瞳で

3人を見つめてるし、

もっちーは目をパチパチさせながら

空気を読んでいる。