夏の日の休日、
星と線香が出掛けた先はスケート場。
暑さにあたりまえのように半そでで挑んだスケートは予想以上に寒く、凍えそうだった。
人数とリンクスペースの関係上、好きなタイミングで入ってくる客がすぐにスケートをすることが出来るわけではなく、1軍2軍と分かれるようにして時間制限を付けての順番である。
1軍がスケートをしている間は、リンクの見える観客席で2軍が待つ。
スケートをできる時間は1時間ほどだっただろうか、2軍だった彼女たちはしばらくの間、氷上で滑る他の客を観客席で眺めていた。
すると、彼女たちが座っているちかくにいた男子数名が楽しそうに話している。
「おい片山ーーー」
「ーーーーー」
「はははっ、片山ーーー」
「ーーー」
「ーーーーー片山がーー」
なんかよくわかんないけどたしかこんな感じだったようなそうじゃないような。
たぶんそうじゃない。
ただ、「片山」と呼ばれる男子がそこにいるらしいということは理解でき、最初のうちは同じクラスの男子たちがそこにいるのではないかとビクビクしたものだったが、いざ盗み見ているとそんなことはなく。
同一人物ではないのだけれど、
こうして、「スケート場に片山勘三郎がいた」というネタが仕上がったのである。
本人からしたら、こんな迷惑なことはない\(^o^)/

