自己チューなアラサー転勤族主婦の妊娠日記

3月18日(月)

 夜中に何度も足や手がつって、数時間置きに目が覚めた。

 特に朝方、右足のふくらはぎがつり、痛みで飛び起きると今度は太ももまでつり始めた。痛くてもがいたら、更に足の裏側までつった。

 首周りの痒みがようやく収まったと思ったら、こむら返りのせいで寝不足になる。

 朝6時半、ぼおっとしながらパソコンに向かう。


 眠い。でも、寝たら絶対便秘になる。


 名古屋が私を待っている。


 夫を送り出し、昨日と同じような生活を送る。

 9時過ぎまでパソコンに向かってはトイレに行くを繰り返す。

 やっとデトックス。


 お腹が大きくなったせいで、一度にトイレに行くことができない。

 ちゃんと出すには約二時間を要する。なんて無駄な時間なのだろう。



 やっと便秘解消。


 テレビ体操の前に、お腹がすいてモンブランプリンを食べてしまった。

 冷蔵庫にスイーツをストックするべきじゃない。

 見てしまうと、残念ながら欲望が抑えきれない。


 高カロリーを摂取してしまったと反省。


 でもおかげで、動きが俊敏にもなった。

 テレビ体操だけで、じっとり汗ばんだ。


 一時間の入浴タイムで更に余計な水分を抜いていく。


 身体がまた軽くなる。




 わりとここまでは順調だ。だんだん調子が上がってくる。


 このまま突っ走ろう!






 と、思った矢先だった。





 電話が鳴る。ナンバーディスプレイで確認すると、実家だった。


 一瞬、出るのを躊躇う。

 前回のように、「ダイエットは良くない」とか、親戚に対する愚痴とかだったら聞きたくない。


 でも。


 前回の電話をイライラしながら切ったあと、結構時間が経っている。

 さすがに妊娠している娘に対し、そんなくだらないことを話すために電話してこないはず。

 もしかしたら、夫の実家みたいに、有用な何かを送ってくれるのかもしれない。



「もしもし」

「元気? 電話してあげないと可哀想かなと思って、電話してあげたよ」






 出なきゃよかった。






 悪気はないのだろうけれど、イラっとする言い方だ。



「調子はどう?」

「相変わらずダイエットしてるよ」




「今も運動してるの?」

「そう。明日から一泊二日で名古屋に行くから、必死で体重管理して一日中運動してる」

「名古屋いいねぇ。でもダイエット中じゃ美味しいもの食べられないね」

「だから、美味しいもの食べるために今頑張ってるの」




「大変ねぇ」

「そう、大変なんだよ。今の食欲はY(夫)以上だし、さっぱりしたものとか全然食べたくないの。ずっと油物とか甘いものとかのことばっかり考えてる。それなのに食べられないからイライラして辛いよ」

「ピーマンとか食べたら?」



 ハア?



「だから、そういうの食べても満足しないんだってば。高カロリーのものが食べたいの。でも一旦食べたら食べ尽くすまで止まらなくなっちゃうから、我慢するのが大変なんだ」


「じゃあ、M(私)が里帰りしてくる前に、家族分のおやつを隠しておかなきゃね」



 悪気はない。分かっている。

 でも、その冗談が、火に油を注ぐことになるくらいどうしてわからないのだろう。



「お母さんはずっと食べれなかったから、そういう気持ち、よく分からないな。お母さんの時はね、全然食べれなくて点滴までして大変だったから」


 今度は自分の苦労話。イライラもマックスだ。


「そうだね。この苦しみはなった人にしか分からないよ。Y(夫)のお母さんはたまごサンドがすごい食べたくなって、食べ過ぎてダイエットしたって言ってたよ」

「へえ。でもお母さんの場合は血まで吐いたし、食べ物の匂いがダメでetc」




 その後も色々あった。思い出すだけでイライラするのでもう書かないでおく。




 電話を切る。


「出なきゃよかった!!!!!」

 独り叫んだ。



 運動する気もやる気もすっかり失せる。気分転換に散歩することにした。



 空が曇っている。雨も降り始めた。天気まで最悪。

 歩いていてもイライラが収まらない。



 夫のお母さんは「何かあったら飛んでいくから、遠慮しないで」とか「必要なものある?」とか聞いてくれる。


 ウチの母は「ピーマン食べたら?」とか「鉄分足りないなら小松菜食べたら? ほうれん草よりも鉄分が多いらしいよ」とかしか言わない。


 せめて「手伝いに行こうか?」くらい言ってもバチは当たらないんじゃないだろうか。

 もちろん、ウチはお金に余裕がないことくらい分かっている。

 だから本当に手伝いに来て欲しいと思っているわけじゃない。



 だけど。


 たった一言、嘘でもそう言ってくれるだけでいいのに。



 娘の一大事に、ただただ、自分の話ばかりする母にイライラする。

 自分勝手なところ、私とソックリだ。


 ストレスが溜まる。

 衝動的にコンビニに寄って、イチゴのソフトクリームと生クリームたっぷりプリンケーキを買ってしまった。


 家に戻ってソフトクリームを食べる。そうでもしないとやってられない。

 次からは、実家からの電話に出るのをやめよう。



 ソフトクリームを食べ終えると、やっと気持ちが収まった。


 気を取り直して運動に励む。

 大量の汗。身体も温まる。やはり高カロリーのものを食べたあとは動きが俊敏だ。




 そんなこんなで夜になる。



 夫は今日も夜勤。


 トマトポトフを丼一杯よそぎ、フォカッチャと一緒に食べた。

 最後にプリンケーキでお腹を満たし、早めにお風呂の準備をする。




 体重測定。

 


 マイナス700g!

 目標にしていた体重に100g及ばなかったけれど、これなら明日からの旅行を楽しめそうだ。


 あとは、お腹が空かないうちに早く寝よう。





 でも。



 丁度布団にくるまった頃合に、夫帰宅。


 トマトポトフと一緒に、夫用に買った惣菜パンを食べ始める。


「これ、ホワイトシチューみたいな味がする」「このパンモチモチで美味しい」

 

 更に、


 冷蔵庫に残っていたサグカレーも食べて「味が染みててすごく美味しい」「Mもちょっと食べる?」とか言ってくる。



 明日のために、夜ご飯を腹7分目で終えた私。


 もちろん食べるのは我慢した。


 我慢したけど、お腹が空いて眠れなくなる。




 なのに夫は食べるだけ食べて、電気もテレビもつけっぱなしで寝てしまった。


 疲れているのはわかっているけど、イライラする。




 痒みの寝不足から開放されたかと思えば、こむら返りに悩まされ、今日は空腹で眠れない。




 もう、最悪。


 早く明日が来て欲しい。