出会ってしまったから





「何でってテニスしたいから」



「中学の時はそんな事一回も言った事なかっただろ」



「高校に入って初めて思ったの!」



「正直に言え、担任のことどう思ってる?」



「はあ・・・またそれ?だから私は」



「じゃあ好きな先輩の名前言ってみろ!いないんだろ?そんなの」



「いるわよ」



はあ・・・私ってそんなに分かりやすい?




先生のこと好きだって顔が言ってるのかな



「高野先輩よ・・・」



こう言うしかなかった



お兄ちゃんの疑いを晴らすにはそれしかなかった



過去に好きだった人の名前・・・



「高野?あいつが好きなのか?」



「ええ、高野先輩がいる高校選んだもの」



「そうか、俺の勘違いか?」



「本当・・・勘弁してよね」



「テニス頑張れよ?高野な?俺の友達だから何とかしてやるよ」