出会ってしまったから





「私、帰らなきゃっ」



「え?まだ話途中・・」



先生の言葉も最後まで聞かずに私は体育倉庫を出た



校門まで走って



外に出ると春の風は暖かいはずなのに冷たく思えた



あのまま一緒にいれる訳がない



先生の気持ちを知ったからにはいられない



一緒になんていたくない



もう二人きりで会うのは無理だよ・・・



涙が頬に伝った



「幸っどうだった?先生との甘い時間はさ」



後ろから美優の声が聞こえた



甘い時間?全然甘くないよ



会う前より苦しくなった



涙がどんどん出た



「え?幸!?私、なんか悪い事言った?それとも先生?何されたの?もしかして襲われたとか」



「ううん、違うよ、全然違うの、私がバカだったの」



「え、何があったのよ、幸」