出会ってしまったから




部室を出ると、先生はベンチに座って書類を見ていた



私のことなんて興味なさそうに



何があったのか聞きたい



ちゃんと話したい



私は走って先生の前を通り過ぎた




家に着くと、真っ先に自分の部屋に入った



「幸、ご飯は?」


お母さんがドア越しで話しかける



「もう食べた」



「そう」



そんな嘘を付いてしまう



ご飯なんか口に通りそうにない



明日が土曜日で良かった・・・・



先生の顔・・・見れない



それは・・・前の様に抱き着きたくなるからじゃなくて



涙が出てしまうから



自分の感情を抑えられなくなる