出会ってしまったから



「斉藤!?」



高野先輩はボールを持って私の所に来た


「高野先輩・・・・」


私は急いで涙を拭った



「どうした?怪我でもした?どこが痛い?」


心が痛い・・・・胸がすごく痛い



今までで経験した事のない痛み



「ううん、大丈夫」



「本当に大丈夫かよ・・・」



「うん、じゃあ」


私は高野先輩の横を通り過ぎた



「俺、用事があるから早退するわ!」



そう言って高野先輩はサッカー部の人たちにボールを投げた



え・・・・用事って・・・・



「待てよ!」



そう言って高野先輩は私の腕を握った


「え・・・」


私の腕を引っ張り、学校の中へと連れて行く



「高野先輩!?」



「何だよ、その態度、泣いてんのに大丈夫な訳ないだろ!誰が泣かせたんだよ斉藤のこと」



「高野先輩・・・・」