出会ってしまったから





「ゆう・・・か・・・」


先生はそう言って私の手を握った



「ゆうか?・・・誰・・・・それ」



ドキドキが一気になくなり涙が出そうになる



私は手を振り払った



「ん・・・」


先生は目を覚ました



私は耐えられなかった



先生が他の女の名前を呼んだこと・・・



私には無理だった・・・・苦しくて・・・胸がちぎれそうに痛い



私は走って会議室を出た



ずっと走っていた



あの名前をかき消すように、行き場所もなく・・・ずっと・・・



「はあっはあっ」


立ち止まると涙が一気に出てしまった



我慢していた涙が溢れた



「バカみたい・・・何夢見てたのかな・・・」


グランドの横の道を歩いた



「私・・・好きだったんだ、先生のこと・・・」