「せめて、こうしなければならなかったいい訳を聞かせてくれないか」
ノエルが言った。
馬鹿にされるのを解って、顔には苦笑が浮かんでいる。
自らが頭で言い聞かせるより、『彼らとしての判断』を持ちうるローラントに直接聞かされたほうが楽なのだ。
「反帝軍の完全な討伐は、『来るべき日』で無ければならない」
「うん」
「即ち俺たち両翼‹コンダクター›はそれまで反帝軍を生かさなければならない」
「うん」
「彼の報せを軍に伝えれば反帝軍の一部が落ち『来るべき日』は訪れず帝国の崩壊が決定されるであろう」
「うん」
「そうなればこの町よりもっとたくさんの人が死ぬ」
「うん」
「だからさ」


