「あっあの…っ今日は悠さんにお話があって…そのぅ…」
「大丈夫だよ。ゆっくり話して」
(流石、悠!王子様フォローキタァァァァァ)
陽奈は興奮しつつその様子を見ていた。
(…陽奈、後で覚えとけ…!)
陽奈が観察しているのを悠は気付いた。
悠は怒りと恥ずかしさを拳に込めた。
(…にしても可愛いなぁ。私もこんなふわふわしてていかにも女の子って感じに生まれたかったよ…)
「あっ……あの…」
「大丈夫。緊張しないで」
(…また、女の子にこくられるのか…はぁ)
別に同性愛を拒んでいるわけではない。
ただ、悠自身は“男に一人の女の子としてみてもらいたい”のだ。
いつも悠は“女に一人の男の子に見られている”からその欲求も強いのだ。
「すぅーはぁ…大丈夫です!言いたいと思います!」
「どうぞ」
(ああ、また告られる…)
そう覚悟した。が。
「あっ…あの…!僕を、男前にして下さい!」
「へ?」
彼女が言った言葉は、悠の斜め上をいった。


