神崎悠(カンザキユウ)。
15歳。
彼女のこれまで歩んできた人生は決して、平凡ではなかった。
美しすぎる、男顔のせいで。
例えば、初めて告白されたのは中学一年。
入学と同時に瞬間告白された。
とても美しい人だ。
ただ相手は女だった。
彼女は優しく相手を気遣い、振った。
それから、何故か告白される回数が増えた。
悠は優しい。
そんな噂が広まったのだ。
噂ではなく実際に悠は優しいが、むしろ意地悪で広まった方が楽だった。
全くありがた迷惑な話だよね。
と、当時の彼女は親友にそう語っていた。
その親友も悠に惚れていた。
男女共学のはずなのに、そこには百合が一面に広がっていた。
それだけではない。
悠はよくナンパされる。
女に。
顔で判断するナンパなのだから、男に間違われるのは仕方ない。
悠はそう思っていたようだが、実際のところは違うようだ。
悠の顔立ちは、男らしいが、よくみると女だと分かる。
ということは女と分かってナンパをした、という事なのだ。
悠を女だと分かっていても、底知れない“何か”を秘めた魅力が禁断のそこへと悠の前に引っ張り出されるのだ。
女限定ですが。