「あーもぉ分かった!じゃぁ片付けよろしくね」


そう言って荷物を拾い、ななのところに向かった。


「おじいちゃんまたねぇ~!」


振り返りおじいちゃんに手を振る。

おじいちゃんも手を振り返した。

そんなおじいちゃんをななはずっと見ている。


「なな?」


不思議に思って呼んでみると、ななはハッと気付いたように一回おじぎをした。

起き上がったななの表情にはあれほどあったムカムカマークは一つもなく、何かを考えているような、悩んでいるような、そんな真剣な顔をしていた。