季節は冬。
まだ1ヶ月も先なのに、街はクリスマス一色だ。

カップルたちが街を寄り添って歩く時期が来ている中、俺は1人公園のベンチに座っていた。


「…っ」

冷たい風がふくたび、顔がひりひりする。昨日つけた傷に、この風はこたえる。


瞬間、親と教師の言葉が浮かんだ。


『お前は大学に行くつもりなんだろう。だったらいつまでも遊びまわるな。』
『もう来年は受験生なのよ?…少しは自覚して、周りの人たちみたいに勉強もしなくちゃダメでしょう。』


分かってるよ、分かってるけど。