「やっと来たか。…待ってたぞ。」

「……………は?」

「や、なんか唐突に言いたくなった。」


何だそれ、とでも言いたげな表情をしているのは私の幼なじみ。

夏休みも本格的にスタートし、部屋で黙々と課題に取り組んでいた私のもとにいきなり現れた。


「…で?何の用?」

「……女子って、何貰ったら嬉しいわけ?」

「ふーん、美華ちゃん、誕生日なの?」

「鋭いっすね、相変わらず。」

「ほめ言葉として受け取っときます。」


はははーとのんきに笑い合う。
…こうしてると、私は本当にこいつが好きだったんだろーかと自分自身に問いたくなる。


「美華ちゃんなら、なんでも喜んでくれると思うけどなあ。」

「だから問題なんじゃん!嫌いなものだったとしても、絶対笑顔で受け取る気がする。」

「うーん、まあ確かに…。」



そうして2人、いや途中で千絵ちゃんにも電話したから3人で話し合うことかれこれ一時間。

美華ちゃんがかわいーと言っていたらしきアクセをチェックして、話し合いは終了となった。



「……なんか、今更だけど、最近俺ら仲良いよねー。」

ポロッと陸真が口にした言葉になんとなく反応する。


……そういえば、そうかもなあ。
2年生になってもクラスはバラバラだったのに、しょっちゅう会って話してる。


…そういえば、美華ちゃんと陸真が初めてあった日からだよね。

美華ちゃんは陸真に沢山のものを与えてくれたけど、実際同じくらい私も貰ってるんじゃないかと、時々思う。

だって、あの2人を見るとなんだかこっちまで幸せになれるのよ。


だからずっと美華ちゃんと私を幸せにしてよね、と、目の前にいる大好きな幼なじみに対して私は思った。