「ちょ、お前何でここにきたわけ?」
「だって、優斗が勝手に…。あれ…?」
郲可は私の存在に気がついた。
「あ、ごめんなさい。お取り込み中でしたか。では。」
そう言って郲可は私にお辞儀をして奥に行った。
残された私と優斗くんは黙ったまま河原を見つめた。
「ごめん。」
優斗くんが謝りだしたけど私には意味が分からなかった。
「何で?」
「いや、何か傷つけた…?俺のせいで。」
「別に傷ついてない」
昨日の態度とは打って変わって違う。
でも少しは反省してる。だって怒ってる理由が見つからないから。だけど今態度を変えれば気分屋に思われるだろうと思った。
だから今は冷たくするしかないの。
「もう郲可さんのとこ行っていいよ。」
「でも、ゆきちゃんが心配。」
「私なら大丈夫だから。早く行ってよ。優斗くんが傍にいてくれてもきっと気分は晴ないと想うから。」
「…分かった。…っでも!俺本当に彼女いないからね。じゃあね。」
優斗くんはそう言い放ち郲可の元へと帰っていった。
なんで優斗くんにあんなにもムキになってたんだろう。私の馬鹿。
優斗くんごめん。本当に悪いのは私。勝手に彼女気分になって舞い上がって。そして自己嫌悪に陥って。だから優斗くんは悪くない。
河原から離れたのは優斗くんが帰って30分後。
家について色々と考えこんだ。
優斗くんに恋するのはやめようかとか。でも結局、優斗くんの言葉を信じてみることにした。そしてもうちょっとこの恋を頑張ろうと思った。
