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「ん…」


ふさふさの草が心地好い。


「帽子、どこ…」


私が落ちたとき、帽子も落ちた。


だけど、見渡す限りの緑に、小麦色なんてなくて。


…でも、


気になるのは、あの黒。


吸い込まれそうになる。


黒と紺を足して、赤を少し入れたみたい。


黒に限りなく近い『紫』と言えば、そうかもしれない。


「私とは、大違い」


この汚い黒。


黒い絵の具をそのままべったりと塗ったような。


立ち上がって、その黒に近づく。


しかし、ふらついて、尻餅を着いた。


「「いったぁ……」」