すぐにあたしも車で出勤する

いつも通りの時間に、いつも通りの道を通って会社に向かう

仕事は午前中だけのパート

子供達が小学校に上がって、少し自分の時間が持てるようになってから始めた仕事

あたしにはちょうどいい仕事だった

全てがいつも通りだったのに、あたしの気持ちだけはいつも通りじゃなかった

頭からは長谷部さんの顔が離れなかった

唇には、まだキスをした感覚が残っていた

『どうした?元気ないよ?』

会社にはあたしみたいなパートさんがたくさん居て、子供の同級生のお母さんとかもたくさん居た

『ちょっと二日酔い。2時まで飲んでたんだよ』

『はぁ?!頑張るね。さすがあやちゃんだわ。よく飲めるもんだわ』

そう言って笑われた

あたしは、誰にでも2時で帰ったと言おうと決めた

どこからバレるかわからないから

こんなにドキドキしてしまうなんて

あたしは、どうしたらいいんだろう

あれは、ただの酔った勢いの間違いだったんだと自分に言い聞かせてみる

間違いだった…

あんな過ちは犯してはいけないんだ

元のお父さんとお母さんでいなくちゃいけない

親として、接していかなきゃいけない