子供達の友達が次々と迎えに来る

まずは娘の友達

『いってらっしゃい』

『行ってきまーす』

娘を送り出してすぐに息子の友達が迎えに来る

『おはようございます』

あたしを見て笑顔を向けてくれたのは、和希くんだった

和希くんの顔を見て、罪悪感が芽生える

『純平!急ぎなさいよ!』

『はーい』

玄関で叫ぶあたしに、リビングの方から純平の声だけが返ってくる

和希くんの後から他の友達も迎えに来る

『おはようございます』

『はい、おはよう』

挨拶がちゃんと出来る子供達で、本当に気持ちいい朝を迎える事が出来る瞬間だった

それなのに、あたしの気持ちだけはいつもとは違っていた

奥さんにそっくりな和希くんの顔を見ているだけで、罪悪感に押しつぶされそうになってしまう

『純平の母さん、どうかした?』

あまりにもボーッとしていたのか、和希くんに突っ込まれてしまう

『え?何もないよ!ちょっと飲み疲れかな』

『うちの親も言ってたわ』

和希くんは笑っていた

ドキッとする

『今日は野球部の親はみんなそんな感じでしょ』

『だろうね』

みんな笑っていた

ようやく準備が出来た純平が出てくる

『いってらっしゃい』

『行ってきまーす』

あたしはいつも通りに、みんなの背中を見送った