『何時に帰ってきた?全然わかんなかったよ』

二日酔いで、頭が痛いとグダグダしながら旦那が言った

『2時頃だったかなぁ。ひかりちゃんに送ってもらって帰ってきたよ』

『そっか。それで、あやは二日酔いじゃないの?

『うん。今日は全然大丈夫だよ』

旦那の目を見て話せなかった

怖くてたまらなかった

キッチンに立って、旦那に背中を向けたまま、旦那のお弁当を詰めながら、話していた

旦那も二日酔いだから、あたしの素振りなんて気にもしていなそうだった

旦那は元々朝食を食べない人だから、お弁当の準備が出来たら、出勤していく

『気をつけてね』

『はーい。行ってきまーす』

いつものように、旦那は出て行った

そしてまた、ホッとしてしまう

子供達を起こして、朝食の準備をする

『お母さん、何時に帰ってきたの?』

『2時だったかなー』

『今朝、よく起きれたね』

息子にまで、そんな事を言われてしまう

『まあね。はい、さっさとご飯食べちゃいなさいよ』

『はーい』

いつもの光景だった

違うのはあたしの気持ちだけだった

化粧をしながら、鏡に写る自分を見ても、どうしても唇に目がいってしまった

急がなきゃと、我に返る