星空の魔法

『早く帰って奥さんを求めなきゃダメだよ』

冗談混じりに笑いながらあたしは言った

『うちは、そういう事めったにないから。もう1ヶ月以上やってないし』

『1ヶ月は長いんじゃない?』

『うん。しかも、やるって言っても、俺が一方的に後ろから動いてるだけ。横になったまんまだし、下手すりゃ最中に寝てるし』

『マジでぇ?そりゃつまんないね。やるって目的じゃなくて、愛したいってちゃんと思ってる?』

『思ってないかも』

『それはダメだよ。そんなんじゃやらせてくれるわけないじゃん』

『そんなもん?』

『そんなもんだよ。ちゃんと愛したいって思って抱いてあげなよ。あとは奥さんを上に乗せたら、こっちのもんだ』

『だって、やりたがらないもん』

そんな会話を繰り返していた

さっき抱き合った事が嘘のように、長谷部さんの夫婦生活について、熱く語り合っていた

長谷部さんは、悩んでいるようだった

そりゃ、男だもんね、したい時はしたいよね

奥さんが乗り気じゃないんだぁ

だからって、あたしへの安らぎを求めた?

まぁ、男は単純だから、そんなもんかもしれない

誠実そうに見えた長谷部さんも、そうではないってことか