星空の魔法

話しているうちに、手押しボタン信号がどんどん近付いてくる

缶酎ハイを片手に持ってるけど、まだ半分くらいまでしか飲んでない

歩調を緩める事もなく、2人並んで歩いた

『まだ残ってるし、座って飲もうか?』

『え?でも…』

『いいじゃん。もっと色々話したいし。うちの裏のグランド行こう。あそこならベンチもあるから』

『うん…』

断れなかった

断りきれなかった

それは、あたしの甘さだった

長谷部さんの家から少し行った所に、野球のグランドがあった

小学生のチームとかが練習をしたり、休日に遊んでる子がよく居るグランド

長谷部さんの家からは見えるようで見えない位置にあった

小さな街灯が1個だけあった

野球用のグランドだから、1塁側と3塁側にベンチがあった

長谷部さんについていって、3塁側のベンチに座った

そしてまた、缶酎ハイを流し込む

2人で同時にタバコに火をつけた

すぐ隣に長谷部さんが座っていて、何だかこの状況が飲み込めなくて、あたしはどうしていいのかわからずに、また缶酎ハイを飲んだ

んーーーーーーー

首を上に向けて、最後の一滴を流し込んだ時、あたしの目にものすごいものが飛び込んできた