夏も終わりに近付いた9月の半ば

まだ暑い日が続いていた




私の名前は高橋あや

33歳、既婚

中2の息子と小6の娘の母

18歳で結婚して、19歳で息子を産んだ

若いお母さんだねって言われるのには慣れた

若いから何でも許されるなんて思ってない

子供が何かした時に、周りから親が若いからだとか言われるのだけは絶対にイヤだからと思って、必死に子供を育ててきた

昔は沢山やんちゃもしてきた

そんなやんちゃ時代に知り合ったのが、旦那

旦那の名前は高橋直人

39歳、内装工の仕事をしている

顔はカッコ悪いけど、優しくて、何より私を想ってくれてる感が伝わってくる

結婚して15年

色々あったけど、それなりに上手くやってきた

子供の為に必死な私と、それを支える旦那

子育てにはあまり口を出さない旦那

それが上手くいく秘訣だろうなって思う




子供の為に生きたい

ずっとそう思ってた

そうして生きてきた

私の人生はそれで良かった

喧嘩をしながらも、傍に居てくれる旦那と、いつも笑顔で私を支えてくれる子供達

それだけで、満足だった

その時はそう思ってた

全てが音を立てて崩れる瞬間がすぐそこまで来ている事にも気付かなかった