泣きウサギ。

「なら、卒業まで好きでいてくれる?」

―!!!

「も、もちろん!!当たり前だよ。アタシ、ハルの事ずっと好きでいられる!!」

「じゃあフユの名札ほしい。」


アタシの中学校では、男子も女子も仲のいい人の間で名札を交換していた。

「絶対あげるよ!!…じゃあアタシも欲しい♪」

「余ればあげるよ!!」


これほど嬉しい事なんてあるのか、ってアタシは思った。

あるとすればハルと付き合う事。でもそれは無理な事だから、たぶんこれがアタシにとって素晴らしくて素敵な瞬間。


「ありがとう!!卒業式が楽しみ♪」

「あはは♪」




このまま関係がまずくなければ良かったと思う。

だけど現実はもう、だんだんと崩れている事にはアタシ自身は知る事ができなかった。