----しばらくすると愛羅ちゃんはなきやんだ。




「ありがとう....。えっと...。」



「トナだよ。」



「ありがとう、トナ。...そのドラキュラでしたっけ?」


彼女は冷めてしまった紅茶を少し飲んだ。


「私の血、いりますか?」



俺は理解した。


彼女はもうすぐ命を絶とうとしているんだ。



でなきゃ、得体の知らないドラキュラなんかに血を与えることはしないだろう。




俺は、なぜか彼女を助けようとしていた。



可愛くてこんなにも小さくて、純粋で....心が惹かれたんだ。



「うん....俺が言う、トリックの意味分かったんだね。」



「ええ、お菓子って言うのはドラキュラにとって血かと思って...。」



彼女は薄く笑った。


その笑顔は俺がこの庭に落ちてくることがなかったらすぐに消えてしまうはかないものだったんだ。



でも、



俺はここにいる。


きっとこれは運命だ。