中学校の入学式。
私とアイツの出会い。

「は···はじめまして。本城香織です。
 好きなものは···クシュンッ!」
風邪をひいていた私は自己紹介でくしゃみをしてしまった。
その瞬間アイツは大笑いしやがった。
「佐々木 空」大笑いした張本人。
「ハハハハハ!!」
そのせいでクラスのみんなに笑われてしまった。
(ちっ!自己紹介で失敗した。もぉ最悪!!)
「くしゃみが好きなんだ(笑)」
そうやってアイツがからかうせいでその日から私のあだ名が「くしゃみの人」になってしまった。

それから、私はアイツを嫌いになった。
授業中はうるさいか、寝てるか、だからますますウザイと思うようになった。
休み時間はプロレスごっこ。あんたは、子供か!
中学生にもなって恥ずかしくないの?って感じ。

そんなある日、アイツに言われた。
「本城っておもしろいよな!」
それは、自己紹介で失敗したからか!?
「それってイヤミ?」
わざと憎たらしく言ってみた。
「違う違う。なんていうか・・・天然でカワイイ!」
『カワイイ』という言葉にドキッとしたが
「冗談でしょ?まじムカツク。」
また、暴言をはいてしまった。
「そういうところもカワイイ」
また、『カワイイ』で反応してしまった。
するとそこへ、佐々木のことが好きな「竹内 エレナ」がきた。
「空~♪そんな女にかまってあげるなんて、優しいのね!」
エレナは私をにらむ。
うわぁ。アイツのこと空とかよんじゃってる~。
しかも、そんな女とか呼ばれるすじあいねぇし。ブリッコ全開だし。
まじキモい。
「エレナ!本城のことあんまり悪く言うなよ。かわいそうだろ。」
わぁお!下の名前でよんでるし~
ラブラブじゃん!
「二人ともお似合いだね(笑)」
私は、うんざりしながらからかってみる。
「バカ。そんなんじゃねぇし。」
「そうよ~♪香織ちゃん、気が早い。」
アイツに気に入られようとして私のこと『香織ちゃん』とかよんでる~。
いつもは『本城さん』なのに。
それに気が早いって付き合う気満々ですか。
私は苦笑いする。
「エレナ~」
そうよばれてエレナはたちさっていく。
そろそろ私もどっかいこうかな。と、
その場を立ち去ろうとすると、
「本城!」
アイツによびとめられた。
「なに?」
「あのさ、これから『香織』ってよんでもいいか?」
え?本気?
「べ・・・別にいいけど。」
「おう!じゃ、俺のこと空ってよべよ!」
私は照れながらその場を去った