斗真の元に駆け寄ると、斗真は優しく微笑んだ。

私服にキャップを合わせた服装が昼休み等で会社を抜け出してきたわけではないと物語っている。



「なんで…会社は…!?」

「有休取っちゃった。」



そう笑いながらピースした斗真を罵らずにいられなかった。



「何やってるの…! なんでっ…!」



そんな私を落ち着けるように頭を撫でると、杏に言った。



「ごめん、美由里借りるね。」

「先生たちには上手く言っておきます。」

「うん、よろしく。」



何も言わず私の手を引いて、斗真は校舎内へと歩を進めた。