そんな私の焦りが表情に出ていたんだろうか、斗真さんは紙を1枚差し出した。



「俺の名刺。アドレス、書いてあるから。」

「えっ…あ…!」

「番号は書いてないけど…大丈夫?」

「大丈夫です! いただきますっ。」



そんな私をおかしそうに笑う斗真さん。

私は名刺を大事に制服のポケットにしまった。



「それじゃあ、後でメールしますね!」

「うん、待ってるね。」



私は斗真さんに別れを告げると、急いでバスを降りた。


学校で杏に一部始終を報告すると、驚きながらも笑顔で応援してくれた。