軽く凹んで俯きながら赤い髪を掻き上げた景時の袖を、うさぎが引っ張った。


「それで?」


「ん?」


「ん?ではない。
どう返すものなのじゃ?
『そうですね』では、返事にならぬのではないか?」


あらら?

思ったより食いついてきてンじゃん。

ナニ?
やっと、スルーされずに返事がもらえる流れ?

漱石サマ、アンタ、スゲぇよ!!

景時の胸は期待に高鳴った。


「へへへ返事はね?
『私、死んでもいいわ』ってのが、一般的カナ?
コレは、また別の作家サンの表現だケド…
って、あれ?」


気づくと、景時を見上げるうさぎの眉が顰められていた。



不機嫌デスネ。
どー見ても。

俺、どんな地雷踏みマシタカ?