傷どころかシミもほくろもない白い柔肌に、彼女は穴を開けた。

対のピアスをつけるために。

景時のために。


(そー思ってもイイ?
自惚れても、イイ?)


ほんと泣きたい。
てか、死ねる。

でも、泣いちゃダメ。
男だから、ね。

景時は奥歯を噛みしめて膝を着き、うさぎを抱いた。

強く、強く。


「うさぎ、ありがと。
ほんと嬉しい。」


「そうか。」


「まじ嬉しい。
超嬉しい。
なんつーか、言葉も見つかンねーよ。」


「ふふ、そうか。
だが、放せ。
もうゆくぞ。」




えー…
いや、ソーデスネ。

でも…
えー…

なんの名残もなく立ち上がったうさぎを見上げて深い溜め息をついた後、景時ものろのろと身を起こす。

赤い頭を掻いて玄関に向かおうとすると、もう片方の手にナニカが絡みついた。


「え?」


「?
くりすますとは、手を繋ぐものなのであろう?」