「景時… 相談がある。」


キッチンから出てきたうさぎがシュシュでまとめた銀の髪をほどきながら、いつになく真剣な顔つきで言った。

箸をくわえた景時と、一緒にテーブルについていた秋時と薫に緊張が走る。

相談?
うさぎが?

もう、三人ですき焼きの牛肉争奪戦を繰り広げている場合ではなさそうだ。

景時は箸を置いた。


「…
なに?」


「祥子に買い物に誘われた。」




ソーナノ。
ヨカッタネ。


止まっていた薫の箸が早くも動き出し、秋時もビールの入ったグラスを傾けた。

うさぎは思いの外家庭的。
まめだし、よく気がつくし、なんといっても料理が上手い。

餌付けされた野良犬のように薫は毎晩やってくるし、秋時もちょくちょく夕飯時に顔を出す。

自分はあまり食べないクセに、ドコで覚えた?
ダレに食わせてた?
妬いちゃいマスYO!