真っ白で殺風景だった部屋の窓際に、やはりベースは白だが深い赤色のクッションがあしらわれたロッキングチェアが置かれるようになった。

うさぎがやって来た日、ベッドを買おうと主張する景時に、彼女が言ったのだ。


「いらん。」


「///…
そ…
それは、俺と一緒//に寝るという…」


「いや、妾は横になって眠る事がないのじゃ。」



『人の夢』と書いて『儚い』と読むんダネー。

鬼神は眠らない。

いや、眠ることはあるらしいのだが、人間のように生きるための定期的な睡眠を必要としないようだ。

気紛れにうたた寝。
それが鬼神の休息。

だから景時は、ロッキングチェアを買った。