母上様や度々遊びにいらっしゃる黒曜様は、私のことを

清廉潔白

才色兼備

完全無欠の月夜

なんて思ってらっしゃるようだケド、全くそんなことなどなくて。

私だって人並みに嫉妬したり、悩んだりもする。

当然だわ。
人間だもの。

親バカにも、困ったものね。

私の嫉妬の対象は、何を隠そう母上様。

幼い頃はなんの不思議もなかったのだけど、気づけば私は、母上様より背が高くなっていた。

いつまでもお美しい母上様。

成熟した大人の色気が少女の瑞々しさの中から滲み出ていて、なんとも艶やか。



娘の私のほうが、老けてない?

母上様は鬼。
人とは時間の流れが違う。

それはわかっているけれど…

なんだ?コレ。
ズルくナイ?