項垂れていると、後ろから襟首を掴まれた。 振り向けば、頭に矢が刺さった落武者が黒い笑みを浮かべて立っていた。 「だ、大吾…」 「帰る? 聞き違いだよネー? 男子No.1の吸血鬼くん?」 「あ… あはは?」 「ほらアッチ、一緒に写真撮ってくれって。 とっとと働け。 馬車馬のように。」 あぁ… ご無体な… 吸血鬼を奴隷扱いする落武者って、どぉよ? 助けて、鬼神様───! 願いも虚しく落武者に引きずられ、愛しのうさぎは景時の視界から消えた。