「うさちゃん、笑って?」


「は? え…」


ニ… ニコ?


「だめだめ、もっと自然に!」


「そのような事、急に言われても…」


よく晴れた日の慈愛学園の屋上で、景時はうさぎに携帯を向けていた。

ん?
授業中?

気にしない、気にしない☆


「いったい、なんなのじゃ?」


「写真、撮るの。
ほら、笑って?」


そう、景時はうさぎの写真が欲しかった。

うさぎが黒曜と遊びに出掛けてしまって、一人で寂しい時間を過ごしている時、気づいたのだ。

まだ、彼女の写真を一枚も撮っていない…

寂しい。
顔が見たい。
写真もナイ。

さらに寂しい。
うさぎを感じたい。

悶々とした結果…

うさぎがいつも着ている白いYシャツを抱きしめて、部屋中を転げ回るという、変態丸出しの暴挙に出てしまった。