尻尾を生やした小悪魔、落武者、貞子、やたらデカイ立往生時の弁慶…様々なモンスターに混ざって、一際目を引くその人を目で追い、景時は本日何回目かの溜め息を吐いた。


「あああの… お名前を…」


「そなたに名乗る名などない。」


「あああの… メメアド…」


「そのようなものはない。」


「あああの… しゃしゃ写メ…」


「そのようなものもない。
この阿呆が。
品書きも読めぬのか。」


なんか…懐かしいセリフ。

商売する気など全くない、ぶっきらぼうな接客態度。
というより、最後なんて客を罵倒気味。

なのに指名はNo.1

鎖骨も露に赤い着物を着崩して、艶やかに銀の髪を結い上げた華奢な女。
白い肌に、赤い瞳と紅い唇が映える。
額から伸びるのは、柔らかな曲線を描く二本の細い角…