なんでこーなった…

赤い頭を抱える吸血鬼の肩を、血塗れナースがニヤニヤしながら叩く。


「まーた、ライバル急増の予感デスネー?」


「祥子ちゃん…
そー思うなら、なんで接客させンの?
イヤガラセ?」


「とんでもない。
売り上げのために決まってンじゃん。」


額と口元に血糊をベッタリつけた祥子が拳を握りしめ、タキシード姿で金のカラコンと牙を装備した景時を見上げた。

ハロウィンではアリマセン。

今日は慈愛学園の文化祭なのだ。

黒いカーテンを下ろしておどろおどろしく飾りつけられた二年五組の教室には、制服の生徒や私服の一般客に混じって、モンスターたちが忙しく動き回っている。

ここはホラーカフェ。