H*B プリンセス



「あ、ここ間違ってる」



突然視界に入ってきた派手な爪に顔を上げると、いつの間にか近くに来ていたメグがプリントを指さしていた。



「ほら、これ。符号ミスとかやっぱバカなんじゃん」


「違うってばー。たまたまだよ」



頬を膨らませながらメグを睨むと、「はいはい」なんて軽く流される。



「ていうか!やばい、休憩もう終わる!!」


「うそ!うわー、ごめんねっ」



バタバタと準備をして楽屋を飛び出す。



メグが気付いてくれたおかげでなんとか間に合った私たちは、残りの撮影も順調に進めた。