H*B プリンセス



「デート、しよっか」



…………はい?



今、なんて……?



「デート」



固まってる私に追い打ちをかけるように、もう一度繰り返す。



デート……?



ってあの、カップルが一緒にどこかへ出かけたりっていう、あれ?



「それは、ちょっと……」



一歩後ずさって眉を寄せると、黒崎くんは距離を一歩詰めた。



「へー、そんなこと言うんだ立花さん。彼氏と別れて泣いてるところを助けてやったのは誰だっけ?」