あれから1週間。 撮影は、順調。 貸しイチも困らない発言も何ひとつ分からないまま。 「立花さん、このシーンなんだけど……」 「うあ、はいっ」 黒崎くんは、いたって普通。 焦る私を見て笑ってる。 「じゃあ、貸しだけは返してもらおう」 「何したらいいの?」 このままだと撮影に影響しかねないと思ったらしく、教えてくれるみたい。 軽いといいなあ、なんて甘いことを思ってたら。