お水を一口飲んだところで、廊下へつながるドアがノックされた。 私がここにいるって分かってて開けないでいてくれてるのかな。 廊下なんだから誰でも出てこれるのに。 「はい」 「立花さん、俺。黒崎。開けていいかな」 「あっ、うん!」 黒崎くん……? 調子悪いからって休むなんて甘えだって怒られちゃうかな。 みんなに迷惑かけて申し訳ない。 ドアを開けて、少しだけ顔を覗かせる。 そこにいたのは、予想に反して優しく笑う黒崎くんだった。