「駅まで、送るから」 見えてないってことは分かってるけど、私はうなずいて後を追う。 隼人の靴だけを視界に入れて、うつむいて歩く。 こんなところを誰かに見られたら、隼人に迷惑かけちゃう。 最後くらいは、ちゃんと目に焼きつけておきたいけど。 でも、隼人を困らせたくない。 「じゃあ、俺こっちだから」 「うん。……ありがとう」 精一杯の笑顔で言って、私は後ろを向いた。