H*B プリンセス



もし私のせいだったら何をしてしまったのか分からないし、何もしていなかったとしても理由がうまく言えない。



私が話すところだと思って、必死に頭を回転させる。



「ハッ、やっぱそうだよな」



突然隼人が笑いだす。



驚いて見上げると、その表情はやっぱり悲しそう。



「なんでそんな俺に気遣ってんの?付き合う前の柚奈ってそんなんじゃなかったよな」



あ……。ほんと……だ。



図星すぎて、言葉に詰まる。



付き合う前……2年くらい前は、隼人を振り回してた。



行きたいところに連れていかせたり、欲しいものをねだったり。



わがままをたくさん言ってた。



隼人と高校が別れて寂しくて、部屋で勝手に待っていたり。



隼人はいつも、それに付き合ってくれてた。



いつの間に、こんな風になってたんだろ。