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「おっはよ!」
バシっと私の背中を叩くのは、小学校からの友人、茉希。
背中をさすりながら、後ろを振り返る。
「おはよ。朝から元気だね」
「まーね。柚奈がお菓子くれるみたいだし?」
「あっ、あれか……」
昨日隼人は結局帰ってこなくて、家に帰ってからマドレーヌを焼いてみた。
初めて作ったわりには上手くできて、お姉ちゃんにも味見してもらったし、どうせなら食べてもらおうと思って。
「おいしいか分かんないよ?」
「全然いいよ。いくらでも練習台になってあげる」
「えー本当?じゃあいっぱい作るね」

