H*B プリンセス



――――――――――

―――――


「くーーっ、むかつく!!」



ぐさっとケーキにフォークを突き刺して、顔を上げる。



よく考えてみた結果。気が抜けたってことは少しは心を開いてくれてる気がして嬉しいな、なんて思ってしまった。



けど、黒崎くんからされる意地悪の数々は私をからかって楽しんでるとしか思えなくて、やっぱりむかつきが勝った。



私を見ていた茉希は完全に引いた目をしていて、はっと我にかえった。



「ああっ、ケーキが!」



ケーキを見るとぐちゃぐちゃになっていて、小さく悲鳴をあげる。



せっかくのケーキが……。



呆然とする私を見て、茉希は「私が恥ずかしいから落ち着け」と冷たく言う。



茉希はイライラが募ってる親友よりも周りからどう見られるかって、そっちを気にするんだ……。