それからは毎日、補習、撮影、補習、撮影の日々。
私も黒崎くんもものすごいスピードで課題をこなしていくんだけど、いつも黒崎くんの方が早く終わる。
写させてくれる日もあれば、すぐ帰ってしまう日もあって。
茉希が前によく休むって言ってたし、何をそんなに急いでるのか、少し気になる。
「あ、黒崎くん。おはよう」
「……」
朝、教室に行くと、黒崎くんはいつも私より早く来ている。
最初の頃は挨拶すらもしなかったけど少し話すようになって(必要最低限の会話だけど)、挨拶くらいはする仲になった。
「……あれ?」
いつも、返してくれるんだけどなあ。
声をかけても返事がなくて、黒崎くんの机にゆっくりと近付くと、規則正しい呼吸が聞こえてきた。
「寝てる……?」
静かな教室に私の声は響いてしまって、ハッと口を押さえた。
机に突っ伏しているから顔は見えないけど、メガネも外しているみたい。